生意気を持て余しているので

時間と生意気を持て余した女子大生の雑記ブログ。一番新しいものを除き、お気に入りの記事順に時系列バラバラで並べ替えてあります。

全国TOP30のネトナン師vs生意気な女子大生

 

 

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最近、彼氏に振られた。

 

 

正確に言うと振られてはいないのだけれど、浮気された。

「あなたに真剣になっていた私がバカみたい。」と言ったら連絡がつかなくなった。

私は彼の小さな浮気を許してあげるつもりだったのだけれど、35歳のいい歳した男が女子大生に生意気な口を聞かれるのはこれ以上ない屈辱だったのだろう。思えば小さい男だった。

 

 

ところで、私は、理由があって、年上の男しか愛せない。

   

もうそれは

「今からラブマゲドンしますよ〜、メンバーは10代後半から20代前半の男性陣です」と言われた瞬間、秒で自分の死を覚悟するくらい。それくらい、年上が好きだった。

 

 

一回り以上年上が好きな女子大生とおじさんが出会う方法。

 

第一位

 

それは「マッチングアプリ」ではなかろうか。

 

 

ありきたりなセリフだが、彼氏に浮気されて寂しかった。

虚しかった。

なんで私が。独り身に。

おかしい。なんで。

Fカップなのに。

こんなにいい子なのに。

 

悶々とした気持ちの中、

とりあえずペアーズというマッチングアプリに登録してみた。

 

そしたらくるわくるわ。

大量のおじさんたちからのいいね。

おじさんが湧いて止まらない。おじさんが有り余る。持て余してしまう。

 

もちろん私のプロフィールには「年上が好きです♡一回り以上年上が好きです♡真面目に交際したいです♡」的なことがちょっとお固めに書いてある。

あれ、これ米山知事パターンじゃね?

私3万で枕を交わせるJDだと思われてる?

まじで米山おじさんこの世にどんだけいるんだよってくらいの似たようなおじさんたちから大量にいいねがくる。

 

その中から、いいねを500近くもらっているおっさんとマッチ。


これをみてもらえばわかるが、男性でいいね500をもらっているって相当ヤバイ。

 

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全国TOP30である。しかも何がヤバイって、写真では全くイケメンではない。繰り返す。全くイケメンではない。

顔面レベルで言ったらマジで米山知事レベル。年収は1000万〜1500万。

フリーランス。東大卒。ぜってぇ嘘だろ。

フリーランスなんてどうせ支出無視した売り上げを年収扱いして、実際手取りは600とかじゃねえの?

まぁどのみち?

たとえ1000あったとしたって?

所詮は1000。何をそんなに騒ぎ立てることがあろう。

意味がわからない。

ましてや男性利用ユーザー22万人の中でTOP30入り。

意味がわからない。

彼の魅力は一体なんなんだろう。

その謎を解くため私はアマゾンの奥地へ向かった。もとい、渋谷道玄坂の隠れ家レストランへ向かった。

 

当日はフライデーナイトだった。この時点で「あぁ、夜ホテルに誘われても満室を理由に逃げ切れるな」とホッとする。

こちらもただの女子大生ではない。生意気な女子大生なのだ。

生意気を持て余しているため、当日は男ウケ最強なsnidelのオフショルワンピで戦いに臨む。

ハチ公前で待ち合わせをして、遠目から相手の姿を確認。

 

 

え??????

このイエローモンキーがTOP30?????

マジで???????

 

疑問と不安を抱えながら、笑顔で「こんにちは」と声をかけた。

 

じゃあお店行こうか。

 

うん。

 

とここで、出会い頭に衝撃的なことをイエモン(イエローモンキー以下同じ)から言われる。

 

「おめかししちゃって〜笑」

 

 

うっわ〜!!!!

おじさん!!!!!!

やべぇまじでおじさん。やば。

発言もかよ〜〜!!!

おじさんは見た目だけにしてくれ〜〜!!!(切実)

 

流石の私もちょっと笑ってしまって「はは(汗)これでおめかしですか?笑笑」と言ってしまった。

 

先行きに一抹もとい千抹くらいの不安を抱えお店に。

 

お店は普通だった。ザ、普通。

料理も普通。店員も普通。酒も普通。値段も普通。

この店で普通じゃないのは私達だけだった。

大したことないスペックでドヤ顔してるおっさんと、明らかにパパ活してそうな女子大生。

私達は明らかにお店で浮いていた。

 

当たり障りのない自己紹介をして、会話が途切れかけた時、

 

「腕のあざひどいね」と言われた。

そう、わたしはあざが多い。ほとんどは自分のマッサージで強く揉みすぎてできるものだが、

「多分赤血球が少ないんですよね」

事実をのべる。

「赤血球www何ちょっと頭良さそうな風に言っちゃってんのwww」

 

うぜぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!

東大だか何だか知らねぇけど死ぬほどうぜぇ!!!!!

こちとら白血球・赤血球・血小板の体内細胞数、再生に要する期間を述べるのはもとより、なんなら10回は模写してるくらいのバリバリの理系である。まじ舐めんな。まじ卍。

 

私「はは(汗)  まぁ一応理系なんで笑(汗) 」

 

イエモン「えー笑 ほんとは頭弱いでしょ絶対〜」

 

うぜぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!

ジジイまじで冗談は顔だけにしろよ!!!!!

 

酒は百薬の長とはよく言ったもんで、ここまで言われても私はシャンパン片手に終始笑顔で会話していたし、目の前にあるリブステーキ用のナイフを相手に突きつける事もしなかった。酒、まじ卍。ありがとう。ビッグラブ。

 

ここら辺で薄々気がついたのだが、相手は全く私の個人情報に興味がなさそうだった。

例えば「付き合う」ことをゴールとしたマッチだったら、住んでる場所や、将来について話すことは不可避だろう。

だが相手が気にしてたことといえば、私が元彼とどれくらいの期間で肉体関係を持ったかとか、過去に彼氏が何人いただとか、自分ではするの?とか、本当にクソみたいなことばかりだった。

 

あれ、もしかしてこいつ、噂の『ネットナンパ師』じゃね?

この辺で薄々そう気づいた。

 

世の中のナンパには、路上ナンパ師やネットナンパ師、という種類が存在し、

ツイッターにも

 

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こういう奴らがわんさかいる。

そして、ペアーズTOP〇〇位

というのは、ネトナン師にとって最高のステータスではないだろうか。

 

よっしゃやってやろうじゃないのwwww

私を口説き落としてみろよwwww

そのwwwお前のwwwwクソみたいなルックスとwww話術でwww

と頭が切り替わる。

 

酒もいい具合に回り、口角もより綺麗に上がって最高の笑顔を保てていた。

 

絶対に負けられない、

戦いが、

ここにある。

 

「二軒目行こう。」

といわれ、一軒目でホテルに連れ込む気がないところには安心した。
しかしさすがはネトナン師、二軒目で、円山町の15階にある夜景が見えるバーに連れて行かれた。

このままでは明日「JD/21/即」とツイートされてしまう。

 

だがしかし、私は生意気な女子大生。

ここ、数多の男に何度も連れてこられている。

なんなら、円山町で二軒目といえば、

日本酒が美味しいあそこのバーや、隠れ家洞窟風のあそこの和食、もしくはあの角のビアバー。もしくはあそこのワインが美味しいイタリアン。もうこれしかない。もう、これしかないんだよ。

本当に、手に取るように男はわかりやすい。

お前もここかよ…つまんねぇな。

もっとなんか、ないのかよ、猿が店長の居酒屋とか、スワヒリ語しかしゃべっちゃいけないバルとか。ねぇのかよ。

もう飽きたよ。こりごり。

 

そう思いながら15階行きのガラス張りのエレベーターに乗る。

「ほら見てごらん、綺麗だよ」

見たくねぇよ。なに、私が、この私が、

「きゃあすご〜い♡高〜い♡こわ〜い♡」とでもいうと思ったか??

こちとら100万ドルの夜景を誇る都市の31階に数年住んでいた女である。

どうか、お願いだから、高い土俵から見下ろさないでくれ。

なめてもらっちゃ困る。

女人禁制だかなんだか知らないが、そもそも私はお前の土俵に上がりたくもない。

 

明らかに不機嫌、かつ、やる気のなさそうな態度をとっているのにもかかわらず、彼はめげない。

「ねぇ手相見てあげる!!あ、長生きするタイプでしょ〜!!」と軽く手を触られる。

「耳、ちっちゃくて可愛いね〜!」

軽く耳を触られる。

もうなんか、なんだろう、このネトナン師。こんな典型的なやり方2018年では通用しないって知らないのかな。かわいそうに。もう時期平成は終わる。この街も終わる。お前はもうここでは生きていけない。森へお帰り。

 

一軒目の際、一応お会計時にお財布を出してる私は、おきまりの「じゃあ二軒目は私が払いますね♡」と発言している。

二軒目の円山町のバー、絶対に払いたくない。

なにが楽しくてこんなイエモンの酒に大学生の貴重なお金を出さなくてはならぬのか。

しかしこのままでは、全額とはいかなくも端数くらいは払わされそうである。

私は生意気な女子大生。キモい男とのデートは絶対に1円も払わずに帰りたい。帰り隊。

 

私は、酒を、煽った。

 

ここからはフィナーレ。もうタイムアップ。もう終わり。イエモン。あなたと会うことを楽しみにはしていなかった。でも、期待はしていた。

あっけなく裏切られたけれど。 

 

 

「それにしても本当にここの夜景綺麗…」

うっとりとしていう。頭の中は、この後サークルの飲み会の二次会に合流できるかな、である。

「渋谷の夜って本当に綺麗ですよね…」

思ってもいないことを口にする。

道玄坂、そこの坂抜けて降りて帰りましょうか♡」

明らかに酔っているという顔で、舌足らずに。

はい、王手。

 

そこの坂、とは円山の坂である。

つまり、ラブホ街を、抜けて帰りたいと暗に示唆する。

「じゃあ、私もう一回お手洗い行ってきますね」

 

携帯を片手にトイレに向かう。

トイレに入る直前に振り返ると、イエモンが指でバッテンを作って昭和風にチェックしてるのを確認した。

 

 

でしょうね。

 

 

もうあとは簡単だった。

最後の最後にこいついけるかも、と思ったイエモンは私がいない間に気持ちよくお支払いをしてくれたし、

あと私に残された使命は円山町で気持ちよく彼をかわすことだけだった。

 

「ねぇ、枕投げしてこうよ!!」

 

このセリフだけは褒めてあげてもいい。今まで言われた誘い文句の中で、一番面白かった。この日一番面白かったよイエモン

でもね…

実は…

「私…枕アレルギーなの」

 

 

さようならイエモン

 

2時間ちょい、アマゾンの奥地で一緒にいただけだったけれど、彼のTOP30の謎は解けなかった。

最後に寂しそうに「俺完敗だな 笑」と言っていた。気づかないうちにイエモンもこれは勝負だと感じ取っていたのだろうか。

 

さようならイエモン

またね、と言って別れたけれど、また、はない。きっともう二度と会えない。

トロフィーは私が持って帰る。

 

一人でサークルの二次会に向かう副都心線の中、虚しい気持ちだけが残った。

多分、イエモンも、寂しかったんだろう。

渋谷には掃くほど人がいるのに。

吐くほど人がいるのに、誰にも逢えなかった。

くるり琥珀色の街をAirPodsに流す。

 

 

実を言うと、この街の奴らは義理堅い。
お前と一緒で皆弱っている。

この街はとうに終わりが見えるけど、俺は君の味方だ。

 

 

ほら、東京で聞く椎名林檎とヒカルとくるりは、いつだって、綺麗にわたしを殺してくれる、なぁ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あぁ、彼氏に、会いたい。

 

 

 

 

 

-全国TOP30のネトナン師vs生意気な女子大生-

執筆 2018/4/26