生意気を持て余しているので

時間と生意気を持て余した女子大生の雑記ブログ。一番新しいものを除き、お気に入りの記事順に時系列バラバラで並べ替えてあります。

ヒグチアイさんの「わたしのしあわせ」を聞いて、雷が落ちた。  

 

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頭に雷が落ちたようだった。

 

 

 

歌舞伎町の喫茶店にいた。

 

 

 

表参道に寄った帰りだった。

冴えないソファーに座りながらアイスコーヒーとアイコスミント片手に本を読んでいた。

 

 

大学には行っていなかった。

 

 

わたしの日々の生活に、「大学に行く」という選択肢はなかった。

もちろん、行かないと単位が取れなかったり、出席が効かないものは最低限出る。

でも、それ以上は行けなかった。

 

 

大学生であるのに。

 

 

行けないのだ。大学に。

 

 

もともと、望まない大学に進学した。あぁ、でもこれは言い訳だね。うん。

でも、事実として、『望まない大学に進学した』。

それゆえ、わたしの中の大学に行くという優先順位は芳しく低いのだ。

 

 

卒業すれば、職業が手に入るし、安定も手に入る。

わたしが今の大学で唯一気に入っているのはその点で、

卒業さえすれば安定が手に入るって、なんて楽でハッピーなんだろうという心のゆとりがあるから、

今は最低限のことはその程度で済ませて、他の大部分は好きな物事に打ち込んでいたかった。

 

 

好きな物事

書評

慢性的なダイエット

コーヒー

アルコール

東京

語学

カフェイン

煙草

バー巡り

 

 

最近、わたしをよく知る人から言われたセリフで、

「あなたは、埋めるかのように何かを取り込むことに依存するよね」と言われた。

これほどわたしをうまく表している言葉はないと思う。

 

埋めたいのだ。何かを、何かで。

 

それは時に、アルコールであり、男根であり、煙であるのだけれど。

 

それでも埋まらない何かを求めて、今日も生きていた。

 

 

あぁ今頃はわたしの大嫌いな講義が行われているな。

煙に包まれながら、ひたすらiPadで書籍のページをめくっていた。

 

そんな時、

 

「勉強もしないで、学校にも行かないで、友達も作らないで、ただひたすらに。」

というワードが聞こえた。

 

「常識も知らないで、言うことも聞かないで。」

 

 

一瞬、話しかけられたのかと思った。

 

 

それはであったのだけれど。

 

一瞬で、引き込まれた。惹きこまれた。

 

時が止まった。

 

煙を吸い込んだのと同時に、

 

 

『わたしの幸せは、誰にも計れない』

 

 

あぁまた触れられた。心に。

 

なにこれ、ナニコレ。

 

『悲しい顔をしないで』

『かわいそうだと思わないで』

『あなたがくれたものひとつ大切に持っているから』

 

泣くかと思った。

 

 

『信じてほしい、信じてほしい』

 

 

いや、泣いた。

 

 

やりたいことをやっているつもりだった。

 

 

だってわたし今まで頑張ったし。今まで、頑張ってきたし。

泣きながら、努力した。夢を見た。

 

20歳の誕生日を迎えた朝、誰からも連絡がない携帯を見て笑った。

あぁこんなもんだよね。って。

みんなはみんな。わたしはわたしだ。

それ以降すべてのSNSがバカらしくなって半年以上携帯の電源をつけなかった。

 

20歳の大晦日、渋谷のワンルームで、一人で年を越した。

上の家族が初詣に出かける音が虚しく響いた。

その瞬間でさえ、ペンを握って机に向かっていた。

あぁこんなもんだよね。って。

 

 

何かに許してもらいたかったのだ。

 

 

犯罪に巻き込まれた被害者家族は、犯罪を起こしやすい。

それはなぜかって「自分は被害者なのだから、これくらいしても当然の権利がある」と思考するからだそうだ。

わたしは犯罪に巻き込まれたわけでも、被害者家族でもなかったけれど、似たようなことを考えていた。

 

わたしはこんなに頑張ったのだから、

こんなに頑張って、ダメだったのだから、

許されてもいいじゃん。

これからは好きなことをやっていいじゃん。

嫌なことからは逃げてもいいじゃん。

大学に行かなくたって、何かを取り込むように依存したって、いいじゃん。

だって、だって、だって。

頑張ったんだもの。

 

そしてそれと同時に、

本当にこれでいいのだろうか。

とも思っていた。

嫌なことから逃げてもいいのかな。何かに依存してもいいのかな。

今、ここにいていいのだろうか。

なんでわたし、講義サボって歌舞伎町にいるの。

 

 

『わたしのしあわせは、誰にもさわれない。わたしのしあわせは、誰にもわたせない』

 

 

救われた気がした。

少なくとも、あの瞬間。わたしは、誰よりもこの歌に救われた。

 

 

正しいとか、正しくないとか。

間違ってるとか、そんなことは一旦置いておいて。

そういうことじゃなかった。

 

『わたしのしあわせは、誰にも測れない』

 

そうそうそうそう。

そうなんだよ、マジで。そうなんだよ。

それが言いたかったの。それに気づきたかった。

 

ちょっとメンタルやられてる人、

見失ってる人、

取り込んでいる人、

頑張っている人、

 

みんなに聞いてほしい。

 

雷、落ちるから。

聞いてほしい。

 

そして、救われてほしい。

 

こんなに聞いてほしいと思った歌は、はじめて。

 

 

 

わたしのしあわせ

わたしのしあわせ

  • ヒグチアイ
  • J-Pop
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