生意気を持て余しているので

時間と生意気を持て余した女子大生の雑記ブログ。一番新しいものを除き、お気に入りの記事順に時系列バラバラで並べ替えてあります。

東京医科大学問題に騒ぐ大人たちがダサすぎる件

 

 

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東京医大問題について、まさに私立医学部受験生だった私が今思うこと。

  

 

東京医大の女性に対する点数操作が問題になっていますが、

細かい事情は他のブロガーの方や大人の方が色んな媒体で丁寧に説明してくれているので、

私は、あくまで、

「まさにこの渦中にいた人間」として、この問題について思ったことを書きたいと思います。

そしてこれはあくまで全て私の考えであり、間違っていると思います。

 

ですが、こう思ってしまう現状があるのが事実です。

それが少しでも伝わればいいかなと思います。

 

問題が公になってから、まず初めに私が思ったことは、

 

え、今さら?

 

だった。

 

みんな知っていると思っていた。いや、きっと知っていたと思う。

 

私立医学部受験生にとって、年齢・性差・親が医者かどうか・寄付金。

そういう問題で差別されていることは当然だと知っていると思う。

そう、この問題は今に始まった問題ではないのだ。

 

 

そして東京医科大学の問題だけではない。確実に。 

 

 

 

長い受験生活だった。

医師になりたいと思ってから7年間。進学校に通い、医師になることだけを考えてひたすら生きてきた。

初めは国立医学部志望だった。学費が安いからだ。

私立医学部は、一番安くても1000万円はする。全国の医大を平均すれば3000万だ。普通の家庭には払えない。しかし国公立医学部に求められる偏差値は高すぎる。

幸か不幸か、私の家は裕福であったため、浪人を決めてからは私立医学部を受験してもいいと親からお達しが出た。

さらに、それを決めてから、私立医学部専門予備校に通っていいと許された。

あまりにも恵まれていた。当時それを許してくれた親には今でも頭が上がらない。

 

私立医学部専門予備校。

そこは、完全に異質な世界だった。

まず、生徒の親の割合がぶっ飛んでる。医者が8割。社長が1割。その他1割という割合。

当然である。だって専門予備校の学費は半端じゃない。

一年でだいたい400万くらいだったと思う。

一人暮らしをしていた費用を加えれば2年の浪人生活による出費は1000万はくだらないと思う。

そういう世界なのだ。

そして、何年もその世界に浸かっている人たちは大勢いた。

6浪、7浪。世間一般で言われる多浪と言われる者たちの宝庫であった。

彼らが一体浪人費用にいくら費やしていたのかは計り知れない。

おそらく何千万単位であろう。

しかし、親が開業の医者であるがために、跡取りとして、どうしてもならなければならない、他の道は考えられない。と言って多浪を重ねなくてはならなかった人も多いのだ。

そう言う世界なのだ。

 

その世界でよく言われていたのは、

男は3浪から、女は2浪からが多浪

言わずもがな、多浪は筆記試験をパスできても面接試験の突破は厳しくなる。

でもそれは合理的な理由があったからで当然であると思う。

所詮たかが4科目の受験のために何年も何年もかかってしまうような人間は、効率性が悪いとみなされても当然であるし、やる気の問題も見られる。

 

私は二浪であったので、多浪の部類に入っていた。

私立医学部受験には一次試験と二次試験があって、一次試験は筆記試験が主で、二次試験は面接試験が主である。

二次試験の面接は点数をつける大学もあれば、つけない大学もあり、グループ面接を課すところなど、大学によって様々だ。

しかし全ての私立医学部に共通しているところは、まず一次試験で受験生の大幅が削られると言うこと。

平均的な私立医は、だいたい3000人ほどが一次試験を受験し、筆記試験でだいたい300人〜400人ほどに絞られる。

そして二次試験でさらにこれが100人程度に絞られると言うわけだ。

もちろん大学によって募集人数は違うし、一次をもっと取るところもあれば取らないと

ころもある。

正規合格者(二次試験を突破した人で補欠ではない正規の合格者)を大勢出す大学だってある。

まぁこの辺の数字は各大学に寄るが、大まかな数字はどこの大学もこんなものだ。

 

私は、5校の一次合格を獲得し、二次合格は0校であった。

補欠は5校とももらったが、正規合格はゼロであったし、その補欠が回ってくることは最後までなかった。

女であるからだろうか。そうなのだろうか。

私の周りで、5校も一次を通って、二次を1個も通らなかった男は存在しなかった。

1校だけの一次や、3校程度の一次で、その中のどこかの医大に進学できた男は溢れるほど周りにいた。

 

 

 

 

あれは受験直前の冬期講習だったと思う。

 

予備校教師は言った。

「いいか、現役と同じ点数取っても落ちるぞ。」と。

 

そりゃそうだ。わかりきったことをこんな直前に言うな。

 

教師は続けた。

 「あと女は高い点数取れ。赤本の合格最低点は信じるな。あれは入学した現役の男の点だぞ」と。

 

は?と思った。

 

彼は言った。 

「私立医学部は、女を取りたがらないんだよ。だって、女はやめるからね。

別に医者になってからやめたって、やめてから復帰したって構わない。

それは個人の自由だ。

でも大学側は大学病院の経営がかかっている。卒業した途端にやめられると、経営が回らないんだよ。

 

なるほど。と思った。

 

「それに、医者一人育てるのにいくらかかってると思う。

学費以上の莫大な金額がかかっているんだ。

それを出したのに医者にならずにやめられちゃうとね〜

 

あっけからんとしてそれを言われた私たちは、

納得してしまった。

それを言った教師は、国立医学部を卒業し、医師免許を持っていた。

 

そうだよね。あぁだって、やめるもん。わかる。絶対一回は医療の場を離れるよね。

私、結婚だってしたいし、出産だってしたい。子育てだってしたい。

女は欲張りだ。欲しいものはなんでも手に入れたいのだ。

 

私は、この懇切丁寧に教えてくれた予備校教師のおかげでこの事実をずっと前から知っていたし、その通りだと思っていたし、納得していた。

受験生である私は、納得して、受験していたのだ。

 

SNSや各メディアで、怒りをあらわに『差別、ダメ、絶対』と叫んでいる人たちを見ると、すごく滑稽に感じる。

こいつらちゃんと今回の問題の何がやばくて何が仕方なかったのかわかってんのかな。

受験生がかわいそうだ。とか言ってる人たちは論外だ。

そもそも論点がズレすぎている。

差別は間違いなくダメだ。受験で女学生の点数を減点していたのも言語道断。

しかし、二次試験の面接において、同じ点数で女学生と男子学生が並んだ時、男子学生が優先的に合格を与えられた場合はどうだろう。

私はそれを差別だとは思えない。差別と定義できるものなのかもしれないが、声を荒げて訴えるほどのものだと思えない。

日本の、医療のためなのだ。大学病院の経営のためなのだ。仕方ないじゃないか。

というか、ごめん、はっきりいうけど、二次試験の面接なんてそのためにあるようなもんだろ。マジで今更何を騒いでるんだよ世の中は。おせぇんだよ。

 

日本の医療の内情や、私立医学部受験に対して昨日今日知ったようなおっさんやおばさんたちが、SNSで偉そうに語ってるの見ると、笑いがこみ上げてくる。

本当にお前らは、人の不幸を見つけると水を得た魚のように元気になるな。

 

繰り返し言うが、差別は、間違っている。絶対に。

男女差別は、あってはならないことなのだ。点数においても。

しかし、それに対する世の反応が馬鹿すぎる。今更すぎる。

なぜ冷静に受け止められないのか。なぜ冷静に反論できないのか。

内部から変えていかないと変わらない。

そして変えるのは内部がやるから外野は黙ってろ。

女でも医者になって男と同等に働ける?

産休育休しっかりとって、復帰して、ちゃんとまた医療に貢献できる?

お前がやるわけでもないくせに、机上の理想論を語るな。

やるのは結局女だ。

そしてその女である私でも、あぁそれをちゃんとできる女性医師は何人いるのだろう。と思うよ。

5校の一次合格を獲得するために血反吐を吐いて勉強し続けた私でさえ、いざ医者になったら、どうなるかなんてわかんないなと思うよ。

やめるかもしれない。わからない。だって、子供は女しか産めないのだ。

 

女がやるしかないのだ。

 

どこまで、その覚悟をしているのか、わからない。

たった10分程度の面接では、わからない。

仕方がなかったんだろうね。

でも、このままじゃダメだね、なんとかしよう。という流れに持って行くべきだ。

東京医大を叩くことに躍起になっている人たちへ。

おそらく、ほぼ全ての私大が似たようなことやってる。

そういう世界なのだ。

 

これは全て私の感情論であり、間違っている部分が多々あると思う。

許してほしい。

でも、どうか、私が、あと一歩のところで医者になれなかった私が、

吐き出す駄文を、

誰か受け止めてくれませんか。

 

ダサい大人を見たくないのだ。

文句を言うなら変えてくれ。お前が。お前が変えてくれよ。なぁ、頼むから。

私に慰めるようなラインを送ってくるものたち、アホか。

5校の補欠を待ったまま落ちた時、

私が、

あぁやっぱり私は女だから、

二浪だったからダメだったのかな、と言った時、

あの時、無視したお前が、

今更

正義者ぶるな。

 

 

今回の件で「お前は差別で落ちたんだよ!」と懇切丁寧に教えてくれた方

聞いてないのに教えてくれてどうもありがとう。

差別で落ちたかどうかは、私が決める。

自分の足で受験した、私が決める。

もしかしたら差別だったかもしれないし、

たまたま全ての点数がギリギリだったのかもしれない。

それはわからない。

でも、お前に、「お前は差別で落ちたんだよ!」なんて言われる筋合いはこちらに一ミリもない。

 

 

 

差別は間違いなくダメだ。間違いなく。

 

 

 

でも、騒ぎ方がダッせぇんだよなぁ、マジで。

 

 

 

 

東京医科大学問題に騒ぐ大人たちがダサすぎる件ー